アルコール・薬物・その他の依存問題を予防し、回復を応援する社会を作るNPO法人「ASK(アスク)」の情報発信サイト

アルコール関連問題

家族はどうすれば?(アルコール)

アルコールへの依存が進行していくと、そばにいる家族は、いてもたってもいられなくなるものです。
なぜなら、こんなことが次々起きるからです。

*酔いつぶれるまで飲む
→家族は、そのたびあれこれと面倒をみることに…

*飲みすぎて体をこわす
→家族は、飲まないよう言い聞かせたり、酒を隠したり薄めたり…

*酔って思わぬ失敗をしたり、周囲の人や職場に迷惑をかけたりする
→家族は、後片づけや、謝罪や言い訳などに追われるハメに…

ところがこうして家族が一生けんめいやればやるほど、問題はひどくなっていきます。
さらに、飲んで延々と愚痴を言う、暴言・暴力などのDV、子どもへの虐待(ネグレクトを含む)が起きる場合も少なくありません。
アルコール依存症という病気は、本人を苦しめると同時に、家族を傷つけ巻き込みながら進行していきます。
そのため、家族は常に酒の問題が頭から離れなかったり、心身ともに疲れてしまったり、怒り・むなしさ・徒労感でいっぱいになったりします。

家族ができるのは、次のことです。

 

知識を得る

世間の常識や周囲からの助言に従って行動すると、家族の努力がことごとく裏目に出てしまうことが多いのです。
アルコール依存症という病気、家族への影響、回復のために何が必要か、などについて、正しい知識を得てください。

アルコール依存症に関する知識はASKアルコール通信講座をおすすめします

相談や、治療・回復の場につながる

本人よりもまず、問題に気づいている家族自身が、専門機関に相談したり、専門の病院やクリニック・自助グループに出かけてみましょう。

アルコール問題の相談先

疲れをいやす・気持ちを吐き出す

長いこと飲酒問題に翻弄されてきた家族は、自分自身の心身の疲労が限界にきていても、なかなか気づけません。
相談・治療の場では、家族自身が楽になるための支援もしています。
同じ立場の家族と出会える自助グループや、専門機関の家族プログラムでは、「自分だけではなかった」とホッとできたり、ためこんだ気持ちを吐き出すことができます。

なお、DVや虐待がある場合には、家族・子どもの安全確保が第一優先です。相談の場や治療機関などで、援助者に現在の状況を伝え、対応を相談してください。

介入のプランを練る

援助者や自助グループの仲間に相談しながら、本人を治療につなげるプランを練ります。
そのためには、他の家族にも依存症について理解してもらうこと、本人に影響力が強い人の協力を得ること、本人への気持ちの伝え方を練習すること、話すタイミングを工夫すること、などが役立ちます。

 

依存症に関する書籍
専門情報誌 季刊『Be!』