アルコール・薬物・その他の依存問題を予防し、回復を応援する社会を作るNPO法人「ASK(アスク)」の情報発信サイト

ギャンブル依存

きっかけは、2015年8月末でした。
自民党の特命委員会が「飲酒・喫煙・公営ギャンブル18歳解禁」を提言する方針……と報じられ、依存症の関係団体は色めき立ちました。
実際は党内外からの猛反発を受けて提言は見送られたのですが、多くの関連団体も反対の申し入れを行ないました。
ASKなどアルコール関連団体や禁煙関連の団体、主婦連合会による申し入れは9月7日。
一般社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」も同様の申し入れを行ない、タバコ・アルコール・ギャンブルで合同の記者会見を開きました。
同会と、初めての共同歩調です。
これ以降、ギャンブル問題に関しても、さまざまな連携が始まりました。

2016年春には、有名スポーツ選手による違法賭博が次々発覚した問題を受け、再発防止やサポート体制づくりを行なうよう、「ギャンブル依存症問題を考える会」とともに呼びかけを行ないました。

2016年12月、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」(IR推進法)が成立。カジノ解禁への一歩となる法律です。

続いて、「ギャンブル等依存症対策基本法」の骨子案が2017年5月16日に公開されましたが、この骨子案に対する緊急の要望を「ギャンブル依存症問題を考える会」とASKが連名で行ないました。

相談・支援の受け皿を増やして

2017年6月、ASKの定期総会で定款の改定が了承され、これまでのアルコール・薬物に加えて「その他の依存関連問題」も活動の対象とすることが決まりました。
ギャンブル問題もそのひとつです。

現状では、ギャンブルに関する規制はなきに等しく、広告宣伝も野放し状態です。
たとえば2016年末にJRAは、有馬記念を「The国民的行事」と銘打って、大量のテレビCM、新聞の一面広告、ネット上での広告、駅での柱巻き広告、さらに車両内すべて有馬記念という「電車ジャック」まで登場させました。
一方で、ギャンブルの借金で経済破たんしたり、違法賭博が発覚した人へのバッシングは激しく、支援の受け皿はあまりにも少ないのです。

厚生労働省に2016年12月に設置された「依存症対策推進本部」は、「アルコール健康障害対策チーム」「薬物依存症対策チーム」「ギャンブル等依存症対策チーム」の3チームで構成されています。
これを機会にギャンブル対策が進むことを期待するとともに、3つの依存症をひとまとめにせず、それぞれの特性を踏まえた対策が行なわれるよう働きかけていきます。