アルコール・薬物・その他の依存問題を予防し、回復を応援する社会を作るNPO法人「ASK(アスク)」の情報発信サイト

アルコール関連問題

FASやFASDは、妊娠中に飲酒しないことで、100%予防可能です。
FAS・FASDとは

しかし一般の人だけでなく、保健医療の専門家でさえこの問題について知らない人が多く、それが予防とサポートの妨げになっています。
そのため1999年に欧米の啓発団体が連携し、9月9日を「国際FASD啓発デー」とすることに決めました。
この日に行なわれる「国際FASD啓発キャンペーンには、これまでに世界およそ30ヵ国の60団体(公的機関・研究所・大学・啓発団体・FASD家族団体など)が参加を表明。
ASKは2014年から主婦連とともに参加、日本の窓口となっています。

えっ、お酒の瓶の中に赤ちゃんが!!!

国際FASD啓発キャンペーンパンフFASDワインヴァージョンのポスターこれは国際FASD啓発キャンペーンで使われるビジュアルです。
キャッチフレーズは、TOO YOUNG TO DRINK<飲むには早すぎる>。
妊娠中の女性が飲酒すると、胎盤を通じて胎児も飲酒することになる、という事実を伝えるものです。

この強烈なビジュアルを作ったのは、イタリアにあるベネトン・グループのコミュニケーション研究センター・Fabrica。無償協力です。
Fabricaでは多文化制作チームを編成してアイデアを練り、採用されたのが、多様な国の、各種アルコール飲料の中にいる胎児、という警告のイメージでした。ワイン、ビール、シャンペン、ウィスキー、ウォッカ、ラム酒の瓶が使われました。
写真の赤ちゃんは、生後7日目。両親がキャンペーンの趣旨に賛同して撮影に協力しました。実際に瓶に入れたわけではなく、合成です。
ポスターとリーフレットは英語で作られ、現在までに、フランス語・イタリア語・ポーランド語・ポルトガル語・スロバキア語・スペイン語・日本語に訳されています。


2017年 横浜周辺での掲示

国際FASD啓発デー国際FASD啓発デー

2016年 浅草周辺での掲示

FAS2016年 浅草周辺での掲示1FAS2016年 浅草周辺での掲示2

2015年 ASK事務所周辺での掲示

FAS2015年 ASK事務所周辺での掲示1FAS2015年 ASK事務所周辺での掲示2

2015年 主婦会館での掲示

FAS主婦会館での掲示

2014年 渋谷交差点での掲示

FAS2014年 渋谷交差点での掲示1FAS2014年 渋谷交差点での掲示2

妊娠中の飲酒のリスクについて広く知らせるキャンペーンに協力を!

1.ASKではこのビジュアルを、ホームページ、Facebook、Twitterなどさまざまな媒体で広めています。情報の拡散にご協力をお願いします。その際、Twitterにはハッシュタグ、♯tooyoungtodrink をつけてください。
2.キャンペーンに正式に参加し、垂れ幕、日本語版ポスターやリーフレットなどの啓発グッズを自前で作成して掲示・配布していただける団体は、ASKまでお申し出ください。

 

啓発ポスターの和訳

FASビールポスター
TOO YOUNG TO DRINK<飲むには早すぎる>
妊娠中の飲酒は、胎児に対して、生涯にわたる障害を生じさせる可能性があります。
胎児を育む9か月は、その子の一生涯へと続くのです。
アルコール・フリーで過ごしましょう。
妊娠中の飲酒による胎児への障害は、胎児性アルコール・スペクトラム障害(FASD)と呼ばれます。
アルコールは、胎児の脳、心臓、目、他の臓器を痛めるおそれがあります。
FASDをもって生まれた子どもたちは、学習、行動のコントロール、友だちをつくることに苦労するおそれがあるのです。
FASDは周囲のみんなに影響を与えます。
しかし、100%予防が可能です。
一緒にFASDを予防しましょう!


啓発リーフレットの和訳

FASリーフレット
TOO YOUNG TO DRINK<飲むには早すぎる>
妊娠している女性が飲酒すると、お腹の赤ちゃんも飲酒することになります。
アルコールは赤ちゃんには有害です。飲酒には早すぎるのです!


啓発リーフレット裏面 妊娠中の飲酒をめぐるQ&A

Q アルコールはどのように赤ちゃんに影響を与えるのでしょう?
アルコールは赤ちゃんの成長、とくに脳に影響を与えます。赤ちゃんは小さめで、たくさん泣くかもしれません。そして大きくなるにつれて、多動で扱いがむずかしくなり、学校での学習の問題をもつかもしれません。ティーンエイジャーになると、学校に行かなくなったり、仕事を続けられなかったり、犯罪的な行為に巻き込まれたりする子もでてきます。

Q どのタイプのアルコール飲料も害があるのですか?
そうです。ワイン、ビール、リンゴ酒、食前ワイン、果物風味のアルコール飲料、焼酎・ウィスキー・ウォッカ・ラムなどの蒸留酒、どれも赤ちゃんにとって有害です。すべてのアルコール飲料が赤ちゃんには害があるのです。

Q どのくらい飲むと害があるの?
妊娠中あるいは妊娠を計画中に、飲酒して安全な量や時期はありません。少量のアルコールでも害があります。妊娠中は「まったく飲まない」のが、もっとも安全です。

Q FASDは予防できる?
はい、妊娠中あるいは妊娠を計画中に、アルコールを飲まなければいいのです。

Q 私の友人は妊娠中に飲酒していたけれど、子どもは健康です。
母親と子どもによる個人差があります。同じ人でも妊娠ごとに違います。子どもに害を与えるリスクは、避けるのが賢明です。

Q 私は妊娠中ですが、飲酒していました。
飲酒をやめるのに遅すぎるということはありません。もし、今、あなたが飲むのをやめれば、赤ちゃんはより健康になれるでしょう。

Q 私は、今は妊娠していませんが、飲酒習慣があります。将来、FASDのリスクを避けるためにはどうしたらいいのでしょう?
もしあなたが赤ちゃんをほしいと思っている、あるいは避妊していないとしたら、飲酒はやめましょう。アルコールによって、妊娠しにくくなりますし、流産のリスクも増加します。そしてアルコールは、受胎の瞬間からずっと、胎児にとって有害なのです。

Q 父親はどうすればいいのですか? 友人や家族、他の人はどうすればいいのでしょう?
父親は、飲酒しないという母親の決断に敬意をはらって、サポートすることができます。その間は自分も飲酒しないという父親もたくさんいます。私たちの社会では、飲酒は社交上、大きな役割を果たしています。そのため妊婦であっても、飲まなければいけないと感じることがあります。友人や家族は、飲酒しないという妊婦の意志を尊重し、パーティーやバーなど、彼女が妊娠前に飲酒していた場を避けるようサポートしましょう。これから母になる人を支えるのは、私たちすべての責任です。

Q 私の子どもはFASDなのではないかと思います。
医師や保健師に相談しましょう。お子さんに何か心配がある場合は、たとえば発達障害のケアや、学習面での支援、親としてのサポートを受けることもできると思います。ご自身の飲酒について相談したい場合も、保健所や精神保健福祉センターが力になってくれます。