アルコール・薬物・その他の依存問題を予防し、回復を応援する社会を作るNPO法人「ASK(アスク)」の情報発信サイト

活動履歴

持続可能な開発目標(SDGs)とASKの活動について

SDGsロゴ

SDGsとは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称のことです。
2015年9月の国連サミットで策定され、15年間の持続可能な目標として、2030年を達成年限としています。取り組みのスピードを速め規模を拡大するため、国連は2020年1月、「行動の10年(Decade of Action)」をスタートさせ、日本でも国や自治体、企業などが続々取り組みを発表。そのため、私たちがSDGsについて見聞きすることが増えたのです。
SDGsには、下記の17のゴール(目標)と169のターゲットがあります。ターゲットとは、17の目標をより細分化し、詳細な行動指標や目標を定めたものです。

SDGsポスター(17のアイコン 日本語版)

ターゲットの中に、ASKの活動と全面的に合致するものがあります。
それは、目標3「すべての人に健康と福祉を」の中にある、ターゲット3.5です。

17の目標 3 すべての人に健康と福祉を

ターゲット3.5:薬物乱用やアルコールの有害な使用を含む、物質乱用の予防と治療を強化する
Target 3.5: Strengthen the prevention and treatment of substance abuse, including narcotic drug abuse and harmful use of alcohol

 

ASKが長年取り組んできた、アルコールをはじめとする依存症関連問題の3つの予防(発生・進行・再発予防)はこのターゲットそのものですし、2013年に制定された「アルコール健康障害対策基本法」と、これに基づく国のアルコール健康障害対策推進基本計画、都道府県の推進計画も、まさにそうです。

WHOは「アルコールの有害な使用は、200以上の病気やケガの原因となっており、世界で毎年300万人が死亡している」として、2010年に「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」を採択しました。
この世界戦略を受けて、ASKが事務局を務めるアル法ネットがロビー活動を行ない、超党派のアルコール問題議員連盟の尽力により成立に持ち込んだのが、「アルコール健康障害対策基本法」です。
ところが、2020年12月に日本政府が策定した「SDGsアクションプラン2021」では、このターゲットについてまったくふれていません。目標3「すべての人に健康と福祉を」は感染症対策のみに焦点が当たっています。

そこでASKとしてSDGsへの支持を表明し、ターゲット3.5の存在を公式にアピールしていくことにしました。
なお、ASKが力を入れてきた飲酒運転対策は、ターゲット3.6「2030年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる」にも該当します。

参考文献
・持続可能な開発目標(SDGs), 総務省, 2021
https://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/kokusai/02toukatsu01_04000212.html
・アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略, WHO, 2010(アル法ネット訳)
http://alhonet.jp/pdf/who2010.pdf
・アルコール健康障害対策基本法(制定の経緯), アル法ネット, 2013
http://alhonet.jp/law.html
・SDGsアクションプラン2021, SDGs推進本部, 2020
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sdgs/dai9/actionplan2021.pdf
・SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン, 国際連合広報センター, 2020
https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/sdgs_logo/