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アルコール関連問題

知識

職場の飲酒運転対策チェック

自治体で、警察で、学校で、職員の飲酒運転が後を絶ちません。
運輸業者には、2010年度からアルコールチェッカーが義務づけられます。

あなたの職場の飲酒運転対策は万全ですか?

前の晩の酒が残ったまま、マイカー出勤している人はいませんか?
点呼時にアルコールチェッカーに引っかかる人はいませんか?
飲酒傾向が強い人たちに対して、飲酒習慣の改善に踏み込んでいますか?
「飲酒はプライベートなことなので…」と、躊躇していませんか?
アルコール依存症の予防や早期発見、介入のノウハウを知っていますか?
7つのチェックで、あなたの職場の対策を点検しましょう。

チェック1 重点対策が必要な職場とは?

「飲酒運転」は、言うまでもなく、飲酒と運転が組み合わさって起きる問題です。
ということは、運転頻度が高いと飲酒頻度が高いが組み合わされば、飲酒運転のリスクが高くなるのが道理というものです。

A群 運転頻度が高い
□仕事に運転が欠かせない(運輸、警察、消防、自衛隊、仕入れ・営業・配達・配送で日々車を使うなど)
□マイカー通勤者が多い
□公共交通機関が少ない地域である
B群 飲酒頻度が高い
□酒に強いことをよしとする土地柄(職場風土)がある
□酒のつきあいが多い職場である
□酒飲み・酒好きが多い職場である
□シフト勤務があり、寝酒の習慣がつきやすい職場である
□酒の上の失敗に甘い職場風土がある

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チェック2 飲酒運転を引き起こす、アルコールの3つの特徴は?

あなたの認識度をチェックします。これを知らずに、飲酒運転対策はできません。また、アルコールの基礎知識として、最低でも、この3つの特徴を職場に広める必要があります。

1. アルコールは [     ] をマヒさせる
2. ビール500mlのアルコールの分解に、およそ [     ] 時間かかる
3. アルコールは [     ] 性のある薬物である

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チェック3 職場に、こんなことをしている人はいませんか?

飲酒運転は「飲んですぐに運転すること」と思っていないでしょうか? ASKで飲酒運転事例を調べたら、こんな落とし穴がありました。あなたの職場に、やっていそうな人はいませんか? チェックしてみましょう。

□車の中で仮眠をとり、酔いをさましてから運転する
□飲んだ翌朝、二日酔いで、マイカー出勤する
□早朝に車でゴルフに行くのに、遅くまで飲んでいる
□代行でいったん帰宅した後、近くのコンビニまで車で出かける
□休みの日は昼間から自宅で飲み、夕方車で買い物に行く

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チェック4 3つの分野の「対策リスト」を点検しましょう

アルコール関連・管理面・職場の飲み会の3つの分野について、対策を講じていますか? 対策から抜け落ちていた項目をチェックしましょう。

<アルコール関連>
□全職員に対して、アルコールの基礎知識や依存症の正しい認識などについて周知している
□職員の健康管理や飲酒傾向に留意し、家族にも協力を求めている
□飲酒傾向の強い職員に対しては、飲酒習慣を改善するプログラムを実施している
□管理職が、アルコールの基礎知識や依存症の初期の兆候に関して正しい認識を持っている
□依存症が疑われる職員への介入や治療後の職場復帰に際し、職場内の健康管理職や地域の専門機関と連携をとれる態勢にある
□多量飲酒や酒に強いことをよしとするような風土を変えるようつとめている

<管理面>
□飲酒運転や酒気帯び勤務に関する職場での「規則と処分」について周知している
□事故や違反があった場合の報告義務について周知している
□点呼時にアルコールチェックを実施し、検知した場合は乗務させない対策をとっている
□アルコール検知に反応した職員に対して、飲酒習慣を改善するプログラムへの参加を義務づけている
□すり抜け・かばいあい・見逃しを防ぐ対策を講じている
□緊急呼び出し時には、飲酒状況を確認している
□職場内に防止委員会をつくり、継続的に対策を話し合っている

<職場の飲み会>
□翌日にアルコールが残らないよう、飲み放題などは避け、開催時間を短めにして、提供する酒類の量も限定している
□飲み会で酒の注ぎあいをしないよう奨励している
□車での参加を禁じている(職場の飲み会の日はマイカーで出勤しない)
□車で来てしまった参加者の鍵を預かる。代行車に鍵を渡すときに、必ず自宅住所まで送り届けるよう伝えている
□夜の酒席でなく、アルコール抜きの昼食会も選択肢の1つとして検討する

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チェック5 アルコール依存症「常識クイズ」

アルコール依存症が疑われる職員による飲酒運転が目立っています。そのため、多くの職場で、「依存症の兆候のある職員を探し出さなければ!」という機運が高まっています。
では、ここで、アルコール依存症の「常識クイズ」です。間違っていると思うものにチェックしてください。

□酒に強い人はアルコール依存症にならない
□手のふるえや幻覚がなければ、アルコール依存症ではない
□仕事ができているうちは、まだアルコール依存症ではない
□アルコール依存症者は意志が弱いので、酒がやめられない
□アルコール依存症の治療をすれば、ほどほどに飲めるようになる

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チェック6 アルコール依存症が疑われる職員に対する「間違った対応」とは?

職場では、管理者や同僚の一見もっともな対応が、病気を進行させる結果を招いていることがよくあります。以下の対応に心当たりはありませんか? チェックしてみましょう。

□見てみぬふりをする
□穏便に処理する
□人格的に非難する
□配置転換やクビで解決しようとする
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チェック7 アルコール依存症が疑われる職員に対する「適切な対応」とは?

では、どう対応すればいいのでしょう? 以下が「適切な対応」のリストです。できていないと思う項目をチェックしてみてください。

□管理者がアルコール依存症についての正しい知識をもち、人間尊重の精神で対応する
□職場内の関係者全員が、「適切な対応」を理解する
□かばいあいをしない(本人のためにも、職場のためにもならない)
□事実をきちんと把握したうえで対策を立てる
□家族も引き入れ、情報を提供してもらう
□関係者が情報を共有し、職場としての対応の方針を統一する
□外部の専門機関に相談し連携する
□感情的に責め立てず、事実を指摘して、専門機関への受診を勧める(受け入れない場合の職場の方針も伝える)
□本人が受診を受け入れたら、「回復を祈っている」「復帰に期待している」など前向きの気持ちを表現する
□回復の状況をつかみ、継続的に職場復帰を支援する

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