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アンケート

「アルハラ防止のための工夫」まとめ(2016年)

2017年1月 イッキ飲み防止連絡協議会事務局

2016年に配布したグッズ【アルハラしま宣言ステッカー】は、応募の際に各団体が行なっているアルハラ防止のための工夫を自由記述で回答してもらいました。配布団体は約2000団体で回答は686団体です。工夫で多かったものはソフトドリンク/水を用意する(270団体)、イッキはしない/させない(114団体)、強要はしない(84団体)、4コールはしない(47団体)など。その他の記述もまとめてご報告します。

アルハラ防止のための工夫

◆部・サークルなど、全体で意識を変えるために!

●3ヶ月に1回アルコールハラスメント防止の講習会を開催
●主催するイベントの周知文書に、飲酒強要や飲酒運転をしないよう禁止事項等を記載している。会の始めに、同じように周知している
●イッキはしない、させないなど、注意事項が書かれたプリントを配布
●大学祭実行委員のサークルは全体会議の場で部長がパワーポイントを使い、食事会でのマナーやアルハラなどの禁止事項を話している
●大学全体でポスター掲示、少人数の基礎ゼミでアルハラ防止を伝えている。授業内容にも含まれている
●雰囲気づくり
 ・飲ませるような空気を作らない
 ・飲みたくない人には飲ませない雰囲気を作る
 ・弱い人がソフトドリンクを頼みやすい雰囲気を作る
●飲めない人も一杯ぐらいという考えをなくす
●酒を飲んで酔っ払っても格好良くないということを教える
●アルコールは飲めば強くなるということはないなどの知識
●パッチテストをして弱い判定の人にはソフトドリンク
●万が一救急車を呼ぶ事態になった際には徹底的に部が潰されてしまう…そういう危機感を、部員全員で必ず共有。「未成年には飲ませるな」「体質的にアルコールを受け付けない者には強要するな」「OBからも、強くすすめさせない」と、OBにもアルハラによる悲惨な事故を防ぐための言葉かけと協力をもらっている
●飲む/飲まないは個人の自由。自分のペースで飲める。お酒の強要は一切なし

◆いざ飲み会に向けて

事前に下地をつくる
●無理強いはしない。全員にアルコールがどれだけ平気かをあらかじめ聞いておく。飲めない人がごくわずかだった場合、飲まないで誘いから守る
●コンパの際は未成年のためソフトドリンクを用意。絶対にお酒は飲ませない。コンパ一週間前から未成年への飲酒禁止を呼び掛ける
●顧問の先生が一緒に参加する

飲み会開始直前にひと工夫
●年齢確認
 ・未成年者と成人の区別。ソフトドリンクとお酒の区別
 ・ソフトドリンクの用意。無理に飲ませない。未成年飲酒防止のために未成年にはテープを貼る
●主催側から、冒頭に挨拶などで宣言
 ・学生コンパの開始時の挨拶で注意喚起している
 ・飲み会の前に、飲みたくなかったら飲まなくていいと伝える

飲み会の最中にできること
●先輩や幹事など、誰かが周囲をよく見る
 ・飲みたくなさそうな人にはすぐに飲まなくて良いよと声をかけてあげるようにしている。ソフトドリンクをすぐに差し出す
 ・先輩が目を配り、同期や後輩がアルハラをしていたら注意する
 ・各自がどの程度お酒を飲めるかをお互いに理解し、強要はもちろん、自ら飲み過ぎてしまいそうになった時には、周りの人が止める
 ・1回生はお酒を飲まない。上回生がすすめるのも禁止。飲み会によっては2回生も全員飲酒禁止にする
●コール・ゲーム等行わない
●アルコールを飲まない席を用意する
●「飲酒」を強制しない
 ・飲みたくない人、飲めない人にお酒を勧めない
 ・必ず水を用意し、人に強制をしない。つぶれそうな人にはやめさせる
 ・嫌がることはしない、イッキはしないなどを徹底している
 ・お酒は飲みたい人だけ飲むようにし、他の人に強要しない
 ・人の酒を飲むペースに口を出さない。未成年にはソフトドリンクしかわたさない
●運転する予定の人に
 ・運転手にはウーロン茶をサービスする(無料)
 ・飲めないという人に無理やり飲ませない。車で来ている人には絶対に酒を与えない

飲む量や時間、注ぎ方など、学生たちの工夫
●お酒の量
 ・酒の量を減らす。飲む量を意識して飲む
 ・強いお酒は飲まない。飲む量はあらかじめ決めておく。それ以上は飲まない
 ・飲みすぎないようにほろ酔いで止める
 ・2本まで、3本までと制限をかける
 ・酔ってきたなと思ったら、ソフトドリンクに切り替える
●ソフトドリンクの量
 ・アルコール以外の飲み物(ソフトドリンク)をたくさん用意する
 ・ノンアルコールビールにするか、水と一緒にアルコールを飲む
 ・定期的に水を飲むことを徹底する
●体調が悪い時はお酒を飲まない
●時間を考えて飲む
●注ぎ方
 ・自分の酒は自分でつぐ
 ・乾杯の時ビールを飲めない人は強制せず、ソフトドリンクを用意する

もしもの時のために…
●酔った状態の人を1人きりにしない
●危ない人はマークし、お互いに止めあう
●飲まない人を数人用意して、見回りする

◆お酒なしという選択も!

●部・サークルでの集まりの時はアルコール禁止
 ・部活内の飲み会はお食事会という名前で、一切お酒はなしです
 ・成人を超えていても、集まっている時はアルコール禁止
 ・伝統で部内での活動時アルコール禁止(新歓・打ち上げ・追い出し・・・)
 ・新歓でアルコールを出さない。上級生含めアルコールNG
●未成年がいる時はアルコール禁止
 ・ご飯の席に未成年がいるときは飲まないきまりを作っています
 ・サークル主催の会の場合、未成年が一人でもいたら飲酒禁止。お酒を飲むときはゆっくり個人のペースで
●飲み放題はソフトドリンクのみ
●ノンアルの飲み会をする
●皆で談笑するのみ

自由記述より ~ 自己対処法 ~

先にきっぱりと断る

・断る勇気
・お酒は得意じゃないと先に伝える
・今、未成年なのでそれを理由に断る。成人になってもジュース(ソフトドリンク)しか飲めないと言う
・酒をいっぱい飲める俺カッコイイなど、そう思い込んでいる人と飲みにいかない

飲み会中は何が何でもソフトドリンクを!

・ソフトドリンクのあるところにいく
・アルコール以外の飲み物を片手に持つ
・飲んでいるように見せかけて水を飲む
・サークル外でたまに強要されるので、その時は顔を赤くしてしのぎます

お酒を飲む際に気を付けたいこと

・自分のペースで飲む
・周りのペースに流されない
・水を定期的に飲む
・空腹時にはなるべく控える。ちょっとずつ飲む

飲み会の前に大学や授業で知識を得る

・授業でアルハラ防止がある
・大学入学前のガイダンスで、アルハラをしない、させないように指導されている
・ポスターやプリントで呼びかける。先生からの直接注意喚起

自由記述より ~ 気を付けておきたい、よくある誤解 ~

自由記述の中に、注意が必要な対策がありました。どんなことに注意が必要なのか事務局が解説します。

①介抱班を設ける

もしものために居ると安心な介抱班。事前に設けておく団体もあると思いますが、気を付けてほしいポイントがあります。
①飲ませる前提の飲み会になっていないか、②介抱する側が飲酒していないかです。
飲ませる前提なのは論外のこと、介抱する側も飲んでいると介抱していたつもりが正常な判断がつかなくて…という事態に。

②”基本サークル内でのイッキ飲みはしていない。
多少のコールとよばれるものでアルコールを飲ませることがあるが、水やソフトドリンクも用意している。
または、コールは指定のものだけで少量で行う。基本的に禁止”

「イッキ飲み=イッキの掛け声と共に、一気に飲み干す」という認識かもしれません。
でも、メロディや掛け声等で盛り上げ、飲ませる「コール」も同じ行為です。
少量なら飲ませても良い、ということは絶対にありません。

③合宿の宴会ではいつでも自室に戻れる環境を作っておく

「早く帰りたい…」と思っている人には、この配慮はとても嬉しいもの。
でも、一つだけ気を付けて欲しいのは、飲みすぎた人への対策。
目を離した隙に3階から転落死したという事故も報道されています。

④チェイサーを用意する

チェイサーの中身がソフトドリンク以外の場合が要注意!
チェイサーにはアルコール度数の低いお酒が入っている場合もあるそうです。
度数は低くても、お酒はお酒。あらかじめ確認しておきましょう。

⑤アルコール度数の高いお酒の強要はしない。弱い人には無理に飲ませない

アルコール度数が低くても、お酒はお酒。
体質的に弱い人にはもちろんNG。
体質的に強い人でも、飲み過ぎれば急性アルコール中毒など危ない状況になる可能性も!

⑥薬を用意する

二日酔いに効くと言われるウコン等が入ったドリンク剤や薬を飲むという記述がありましたが、ドリンク剤や健康食品は食品に該当するため、メーカー曰く「効果・効能はありません」とのこと。
二日酔いにありがちな症状の頭痛などは水分不足が原因で、要は水を多めに取れば解消されることが多いのです。
二日酔いの症状が治まったからと言っても、アルコールが分解された訳ではありません。
また、飲めない体質の人に話を聞くと「この薬を飲めば、お酒を飲めるようになる」とよく言われるそうです。
でも、飲めるようになる魔法の薬は存在しません。飲ませることを前提として、薬を用意するのは絶対にやめましょう!