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アルコール関連問題

調査/データ

アルコールが胎児の脳に与える影響

MRIなどの画像診断によって、アルコールが胎児の脳にどんな影響を与えるかが明らかになってきました。胎児性アルコール症候群(FAS)の診断基準を満たしていなくても、妊娠中にアルコールにさらされた子どもに同じような影響が見られることもわかっています。

まず判明したのは、脳全体の体積がアルコールの影響を受けていない子どもに比べて小さいことです。わずかではありますが、有意な差があることが確認されました。そして研究が進むにつれ、脳の中でも特に影響を受けやすい部位が特定されつつあります。

ひとつは脳梁です。これは左右の脳をつなぎ、両者のバランスある働きを支えて複雑な状況への対処を可能にしています。アルコールの影響によって、この脳梁の変形や萎縮が起こるだけでなく、脳梁がまったく存在しない場合もあることがわかりました。

次に小脳です。運動やバランス感覚を司るだけでなく、注意力・集中力にも関わっています。アルコールの影響により小脳の体積が減少していること、中でも小脳虫部と呼ばれる領域の萎縮が激しいことがわかっています。

また、大脳基底核の体積減少も報告されています。特に、尾状核に萎縮が目立ちます。前頭葉―尾状核・被核―淡蒼球―視床をめぐる神経回路は、物事の計画を立てて行動するという「実行機能」を司っています。大半のFAS児はIQが正常範囲であるにもかかわらず、与えられた課題を実行するにあたってさまざまな困難にぶつかります。それは、実行機能を司る回路の問題が大きいと考えられています。

 こうした脳の萎縮や形状のゆがみは、さまざまな行動上の障害(刺激への過反応・注意力の問題・変化への適応困難・学習障害・判断力の問題など)として現われてきます。もともと脳というのは非常に傷つきやすい臓器であり、アルコール以外にも、妊娠中のさまざまな状況、生後の栄養状態や感染、外傷などによって影響を受けます。けれど大事なことは、アルコールによる脳への影響は、飲酒さえしなければ100%防げるということです。

(2003年11月8日FASD国際シンポジウムにおけるエドワード・ライリー博士の講演をもとにASKで構成)

アスクでは、この問題について以下の活動を行なっています国際FASD啓発キャンペーン
女性とアルコールに関するこれまでの活動

女性は男性より、アルコールの害を受けやすいってホント?
少量の飲酒でも、乳がんのリスクが上昇!?
妊娠中・授乳中の飲酒は、赤ちゃんにどう影響するの?

厚労省「健康日本21<第2次>」に対応した内容です。

ASKリバーシブル予防パンフ①『妊娠とアルコール/女性とアルコール』

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