アルコール・薬物・その他の依存問題を予防し、回復を応援する社会を作るNPO法人「ASK(アスク)」の情報発信サイト

ASKとは

ASKへの応援メッセージ

東 ちづるさんからのメッセージ

東ちづる

気がつけば、父はアルコール依存症でした。
47歳の時に吐血。静脈瘤破裂で、その病気が判明。いえ、当時は「病気」と認識できていませんでした。父を励ましたり、諭したり、詰め寄ったり、哀しんだり・・・。15年間の入退院は、本人はもちろん、家族もタイヘンな日々でした。そして、62歳(1997年)という若さで他界した父に、私たち家族は後悔と未練に苛まれました。残念で、無念で。

私は大好きな父を失ってから、アルコール依存症、AC、グリーフケアを勉強。そして、ASKさんと出逢ったのです。
アルコール依存症と向き合うのは、当人だけはもちろん、家族だけでも限界があります。専門家の知識やアドバイスが大きな力になります。
病気ですから治療法があります。回復する手立てがあります。
決して、隠したり恥ずかしがったりすることではありません。

未だに情報番組などで、依存症者に精神論で叱咤激励するコメントがあるようです。とても残念です。正しく認識してほしい、ASKさんを知ってほしいと思います。

ASKさんと出逢えたこと、感謝しています。引き続きどうぞよろしくお願いします。

東 ちづる(女優・タレント、一般社団法人Get in touch 理事長)


信田 さよ子さんからのメッセージ

信田さよ子

私にとってASKといえば、すなわち季刊『Be!』だ。

その前身が『アルコール・シンドローム』という雑誌だったことを知っている人はどれくらいいるだろう。

1985年に発刊されたとき、自宅近くの書店に平積みになっていたのを見て、なぜかちょっと誇らしかったことを思い出す。凝った字体で、アルファベットのOがたしか二重の円になっていた。アルコール問題を広く知らせ、社会に警鐘を鳴らす、という打ち出しだった。

90年代終わりに『Be!』に改題してからも、アルコール依存症からはじまり、アディクションへ、さらに共依存やアダルト・チルドレンといったことばの広がりを先取りし、新たな技法にまで目配りする特集の企画を、毎号楽しみに愛読してきた。そこには鋭敏な状況への嗅覚と、守備範囲の拡大がみてとれる内容がびっしりと詰まっているからだ。

読者を高みから啓蒙しようとせず、わかりやすい文章に徹しながら、それでいて少し先を読んでいるという編集姿勢が、現在に至るまでこの雑誌が続いている一つの理由だろう。ASKの活動が今日まで続いてきたのも、まさに同じことなのではないか。

ASKは目下、アルコール健康障害対策基本法の制定を推進した「アル法ネット」事務局として、関係団体と関係省庁・自治体をつなぐ役目を担っている。ギャンブル依存症をめぐる法整備も焦点になる中、これからどんな活動を展開していかれるのだろう。

さまざまな依存症・アディクション問題を担っていく主体は、医療ではなく、地域コミュニティに根差した市民団体であるべきだろう。ASKはこの理念を具現化した存在でもある。しかしそれを維持していくのがどれほど大変かということも、開業カウンセリング機関を長年運営してきた立場からは痛いほどよくわかる。いささか勝手な仲間意識から出た言葉でこの応援メッセージを締めくくりたい。「お互いこれからも生き残っていきましょう」

信田 さよ子(公認心理師・臨床心理士 原宿カウンセリングセンター顧問)


松本 俊彦さんからのメッセージ

松本俊彦

ASKの活動はいつも迅速かつ的確で、ともすれば道に迷いがちな私たちに、進むべき道がどこにあるのかを教えてくれます。そして、やはりともすればそれぞれに孤立しやすい私たち専門家と当事者・家族とをつなぎ、さらにありがたいことに、その双方の思いを行政機関やマスメディアに効果的につなげてくれます。

そのようなASKの「つなぎ」の力は確実に社会を動かし、変化させてきました。そうした活動の最も大きな成果が、アルコール健康障害対策基本法の制定であったと思いますが、最近でも、今年のはじめに荻上チキさんたちとの薬物事件報道のガイドライン作りなどでも、今成さんをはじめとするASKの協力と助言は非常に大きな貢献をしています。

何よりも、定期刊行誌「Be!」の、歩を緩めることのない充実ぶりに驚かされます。毎号、依存症に関する最先端のトピックが満載されていて、専門家である私もいつもものすごく刺激を受けています。

ぜひこれからもわが国の依存症支援が進むべき道を照らし続けてください。応援しております。

松本 俊彦(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 薬物依存研究部 部長、医学博士)