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目次
 
イッキ飲み強制で肝機能障害、
音楽の夢断念
先輩らを障害で告訴
ここまでひどい! 新入生歓迎コンパでのアルハラ 河田 聡

私は、2004年春に新入生歓迎コンパでアルコール・ハラスメント(アルハラ)の被害にあいました。コンパ当時、私は18歳で大阪音大1回生でした。コンパ後、私は急性アルコール中毒から肝機能障害になり、重いチューバ(金管楽器)を扱う体力を回復することが見込めないため、やむなく退学。そして、このような行為を二度と繰り返させないよう、先輩二人と同席した講師3名を、大阪府警豊中南署へ両親とともに告訴しました。
この新入生歓迎コンパがどのようなものだったのか、事の顛末をお話します。
コンパは大学近くの居酒屋で、昨年の4月23日、講師の先生も出席のもと、新入生4名を含む24名で行なわれました。
このコンパについては、先輩から事前に「ルール説明」を受けていました。
新入生は全員自己紹介をすること。そのとき、同じ高校の出身者、名前に同じ字が含まれる人、同じメーカーの楽器を持っている人、同じ種類のマウスピースを使う人などは、「はーい、立って」と立たされるので、ビールのイッキ飲みをする。「先輩がいいよと言うまでイッキ飲みを続けるように」と言い渡されました。
恒例・慣例・伝統ということで、未成年であっても断わることができませんでした。
歓迎コンパが始まり、事前の「ルール説明」どおり、最初に新入生全員が順番に自己紹介をさせられました。やりながら何度もイッキ飲みをさせられたので、全員の自己紹介が終わった頃には、かなりの量を飲まされていました。
他の飲み物もありましたが、新入生は口にすることを禁じられていました。食べ物も「先輩がいいよと言うまで食べてはいけない。たとえ許可されても一口しか食べてはいけない」と言われました。あまりに胃が痛かったのでサラダを少し食べたら、先輩から「食べすぎだ」と注意されました。
コップは小さめでしたが、ビールは10杯以上、焼酎は<いいちこ>1杯、<白波>2杯を飲まされたと思います。
そのあと、恒例の新入生一発芸をやらされました。私は何をしたらいいのかわからなかったので、大ジョッキにトマトジュースを入れ、「味付けお願いします」と言ったら、焼酎・ビール・ドレッシング・パセリ・ミニトマトなど(記憶があいまいではっきりはわかりません)を入れられ、飲まなければいけないことになってしまいました。この「一発芸」は、面白くなかったら罰としてビールのイッキ飲みをさせられるルールという噂だったので、しかたなくやりました。
気分が悪くなると、近くの路地裏に通称<サティアン>という吐き場所があり、そこで繰り返し、繰り返し、吐かされます。泥酔し立てなくなると、席の両側にバケツを置かれ、吐かされます。吐くものがなくなると、先輩から指を喉に押し込まれて吐かされました。
私は意識不明になって先輩の下宿にかつぎ込まれ、翌早朝、目覚めて、這うようにして一人で自宅に帰りました。
数日経っても顔から胸にかけての赤味が消えず、二階に上がるのも這うような状態でした。その後も全身の倦怠感と食欲不振がひどく、いつまでも体調が回復しないため、5月に入って検査したところ、<急性アルコール中毒後 肝機能障害>と診断され、医者から「1ヵ月経ってもこの症状か。これでよく死ななかったね」と、自宅療養を言い渡されました。
高校時代、先輩たちから「酒が体に合う合わないに関係なく、音大では酒抜きではやっていけない」と言われましたが、まさにそのとおりでした。そして、今もそうです。
音楽になぜ酒が必要なのでしょうか。なぜこんな危険で野蛮な行為が、「新入生歓迎」という名のもとに許されるのでしょうか。私は大好きなチューバの勉強がしたくて音大に入ったのです。アルコールで生命を危険にさらすために音大に入ったわけではないのです。


両親からのメッセージ  河田 勝・郁子

息子は新入生歓迎コンパから見るも無残なようすで帰宅しました。以来、あんなにハツラツとしていた息子がすっかり体調を崩し、気力を失い、大学にも行けず、好きな楽器を手にすることもできなくなりました。<急性アルコール中毒後 肝機能障害>と診断した医者は、「これでよく死ななかったね」と言いました。
実際に、多くの若者たちがイッキ飲ませで亡くなっている事実を知り、恐ろしさに体が震えました。息子はもしかしたら本当に死んでいたかもしれなかったのだ、と。
息子が助かったのは、たぶん、苦しみながら亡くなった被害者の気持ちを、生きて訴えるために守られたのだと考えています。
息子と私たちは、これ以上一人たりとも強制的にアルコールを飲まされたり、ゲーム感覚でイッキ飲みをさせられたり、人の命の大切さを無視した行為をされることがないよう、私たちにできることをしていこうと決意しました。
そして、何年かかろうとも、生命を危険にさらすアルコール・ハラスメントを罰する適切な法律の制定を、求め続けていきたいと思っています。
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