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目次
 
「あなたの隠れアルハラ度」
アンケート調査の結果を発表
(2001年9月5日に報道発表した内容をそのまま載せています)
〜若い男性ほど「飲み会にイッキ必要」「みんなで酔ってこそ連帯感」と思う傾向、男女年令問わず多くの人が「未成年者飲酒少しならOK」「訓練すれば強くなる」と思っている!〜
イッキ飲み防止連絡協議会(事務局:東京都中央区、代表:加来 仁)は、「第9回イッキ飲み防止キャンペーン」の一環として、2001年4月から6月にかけて実施したアンケート調査「あなたの隠れアルハラ(※)度」の結果を発表します。
※アルハラとは:アルコール・ハラスメントの略。アルコールにまつわるいやがらせ・人権侵害の総称。
アンケート調査実施概要

表1:実施概要

調査名称 「あなたの隠れアルハラ度」アンケート調査
主催 イッキ飲み防止連絡協議会
協力 特定非営利活動法人アスク(アルコール薬物問題全国市民協会、略称ASK)、
中部学院大学 人間福祉学部 健康福祉学科教授 田久浩志 氏
調査概要 下のアンケートフォーム「隠れアルハラ度チェックリスト」(表2)を、ホームページ上に掲載。社会人と大学生に対し調査協力を求めた。調査主旨に賛同した対象者が自発的にこのチェックリストを印刷し、各組織でサンプル回収を行い、サンプルを協議会事務局まで郵送した。回収されたサンプルの解析は中部学院大学 人間福祉学部 健康福祉学科の田久研究室に委託した。
調査の目的 アンケートフォームの各項目は、アルコールにまつわる「固定観念」をリスト化したもの(添付資料もご参照)。そのような固定観念を持つ人が大学生・社会人男女のどれくらいいるのかをアンケート調査し、年代別・男女別に一定の傾向があるのかどうかを分析し、以後の活動の参考とする。
調査期間 2001年4月から6月までサンプル回収
サンプル内訳
計1676人
性別 男性718人、女性933人、不明25人
職業 大学生1260人、社会人398人、不明18人
年令 10代583人、20代794人、30代120人、40代90人、
50代53人、60代以上12人、不明24人

表2:アンケートフォーム「隠れアルハラ度チェックリスト」(該当する項目に印をつけてもらう)

  飲み会を盛り上げるために“イッキ”は必要。
  相手にアルコールを勧めるのは「礼儀」だ。
  訓練すればアルコールに強くなる。
  みんなで酔っ払ってこそ連帯感が生まれる。
  相手の本音を聞こうと思ったら、まず飲ませるのが得策。
  飲めない男性は、なんだか男らしくない。
  乾杯は必ずアルコールですべきだ。
  酔いつぶしても、吐かせるか寝かせておけば大丈夫だ。
  女性がお酌するのは当たり前だ。
10   未成年でもほんの少しなら飲ませてもかまわない。
11   「あのときは酔っていたから」と言い訳することが多い。
注:調査で回収したサンプルには、○のほかに◎、△を記入した人もいましたが、今回の分析では印がついていたか否かの2通りのみの扱いにしました。下記分析結果では、印をつけた人のことをわかりやすく「○をつけた人」と表現します。

分析結果ダイジェスト
男性を年代別に分析すると、10代から20代の男性は「飲み会を盛り上げるために“イッキ”は必要。」「みんなで酔っ払ってこそ連帯感が生まれる。」と考える傾向が顕著(それぞれ約3割)で、30代以降ではぐっと減ります。これは、協議会が従来から指摘しているとおり、若い層に「集団的アルハラ」の土壌があることを改めて証明する形となりました。
また、「訓練すればアルコールに強くなる。」「相手の本音を聞こうと思ったら、まず飲ませるのが得策。」と思う人は、年代に左右されず多く存在します。このことは幅広い年代層に「個人的アルハラ」の土壌があることを示しています。さらに「相手にアルコールをすすめるのは『礼儀』だ。」と思う人は年代が上がるごとに増加傾向である点に着目すると、上の年代層では知らず知らずのうちに「礼儀」のつもりの「個人的アルハラ」をしてしまっている可能性があります。
そのほかにも下記のような特徴が確認されました。

●男子大学1年生〜大学院修士1年生、女子大学1年生〜4年生の各学年で「未成年でもほんの少しなら飲ませてもかまわない。」が1位・「訓練すればアルコールに強くなる」が2位の順でランクされていて、性別・学年を問わず意識傾向が似ている。特に「未成年でも…」は男子大学生すべての学年の過半数に達する。
●男性年代別でも「未成年は…」はすべての年代で3位以内に挙げられているほか、「訓練すれば…」もすべての年代で1位か2位に挙げられている。
●男子大学生は女子大学生よりも特に「飲み会を盛り上げるため“イッキ”は必要。」と思う傾向が高い。
●大学生男女・社会人男性で○をつけた人が最も少なかった項目は、「女性がお酌するのは当たり前だ」。次点が「酔いつぶしても、吐かせるか寝かせておけば大丈夫だ。」だった。
●○を1個もつけなかった人が、男性全体の20%、女性全体の27%いた。


分析結果
集まったサンプルの特性により、(1)大学生(10代〜20代)の男女差・学年差の分析、(2)男性の年代差(10代〜60代)の分析を行ない、以下の結果を得ました。(女性については、社会人女性のサンプル数が女子大学生ほど得られなかったため、年代別の傾向分析を行ないませんでした。)ここには主要な傾向のみ挙げますので、データ等の詳細については添付資料@をご参照ください。
注:今回のアンケート調査では、一定数のサンプルは収集できており、いくつかの傾向は導き出せましたが、これをもって「一般的な傾向」と結論づけるには次の問題があります。「各カテゴリーのサンプル数、地域にばらつきがあること。アルハラ問題に関心がある層、もしくは授業でアルハラを取り上げた大学生の回答が多いため、回答にバイアスがかかっている可能性が高いこと。」この点をご了承ください。


(1)男子・女子大学生(大学1年〜4年、大学院修士1年)の男女差・学年差の分析結果

(1)―1 男女差
●男子大学生の方が女子大学生より以下のように考える人が多い。
□「飲み会を盛り上げるために“イッキ”は必要。」
□「相手にアルコールをすすめるのは『礼儀』だ。」
□「みんなで酔っ払ってこそ連帯感が生まれる。」
□「飲めない男性は、なんだか男らしくない。」
□「乾杯は必ずアルコールですべきだ。」
□「『あのときは酔っていたから』と言い訳することが多い。」

(1)―2 学年差
●男子大学生・女子大学生とも高学年の方が低学年よりも「相手にアルコールを勧めるのは『礼儀』だ。」と考える傾向が高い。
●女子では「相手の本音を聞こうと思ったら、まず飲ませるのが得策。」と思う人は学年が上がるごとに減少。

(1)―3 その他特筆すべき点
●男子大学1年生〜大学院修士1年生、女子大学1年生〜4年生の各学年で、「未成年でもほんの少しなら飲ませてもかまわない。」が1位・「訓練すればアルコールに強くなる」が2位の順でランクされていて、性別・学年を問わず意識傾向が似ている。特に「未成年でも…」は男子大学生すべての学年の過半数に達する。


(2)男性の年代差の分析結果

(2)―1 年代差
●「飲み会を盛り上げるために“イッキ”は必要。」と考えるのは10代、20代が顕著。
●「相手にアルコールを勧めるのは『礼儀』だ。」と考える人は年代が上がるごとに増加傾向。
●「未成年でもほんの少しなら飲ませてもかまわない。」と考える人は年代が上がるごとに減少しているものの、すべての年代で上位3位以内にランクされている。
●「相手の本音を聞こうと思ったら、まず飲ませるのが得策。」と思う人も年代が上がるごとに減少。

(2)―2 年代別「隠れアルハラ度」
10代男性:○2個、20代男性:○3個、30代男性:○0個、40代男性:○2個、50代男性:○0個、
60代男性:○0個、をつけた人がそれぞれの年代で一番多かった。全体の9割弱が○5個以内だった。

参考までに、女性の年代別アルハラも見てみると、10代女性:○1個、20代から60代女性は○0個、をつけた人がそれぞれの年代で一番多く、総じて男性より隠れアルハラ度は低いという結果となった。また、女性で○9個以上つけた人はいなかった。

(2)―3 その他特筆すべき点
●「訓練すればアルコールに強くなる」は、すべての年代で1位か2位にランクされている。
●「乾杯は必ずアルコールですべきだ。」「相手の本音を聞こうと思ったら、まず飲ませるのが得策。」と考えるのは、10代〜40代までの約3割。
●「『あのときは酔っていたから』と言い訳することが多い。」と考えるのは、10代から40代までの2〜3割。


イッキ飲み防止連絡協議会 解説

そもそもこのアンケートフォーム「隠れアルハラ度チェックリスト」は、協議会が2000年に行なった実態調査「アルハラ110番」に寄せられた被害の実態をもとに、そこに共通して見られた「アルコールにまつわる固定観念」をリスト化したものです。これらの項目のうち、1つでも○がつけば、その人は無意識のうちにアルハラをする危険性があります。もちろん、○がつく数が多いほど「隠れアルハラ度」も深刻というわけです。
詳しい解説は添付資料Aの通りですが、今回特に○の多かった項目2つと、男子大学生のグループで上位にランクしている項目1つについての解説を下に引用します。


●「未成年でもほんの少しなら飲ませてもかまわない。」
未成年者の飲酒は法律で禁じられています。なぜだかごぞんじですか? 未成年者は体が未発達で、アルコールを代謝する準備が整っていないのです。また、人間の脳細胞は20才を過ぎると1日に10〜20万個ずつ壊れていきます。一度壊れた神経細胞は再生しません。アルコールはこの神経細胞の破壊を加速させます。まだ発達途中の脳をわざわざアルコールで壊すことはありません。さらに、未成年のうちにアルコールで簡単に楽しい気分になることを学習してしまうと、大人になってもしらふで問題や悩みに対応する力を養えません。飲み始める年齢が低いほどアルコール依存症に発展するリスクも高いのです。 大学1、2年生、高卒の会社員は多くが未成年。「19歳の息子が入った会社では、何かと酒席を作る。ウーロン茶と言って実はウィスキー」…こんなことはもってのほかです。未成年者をアルコールの害から守るのは、大人の役目です。

●「訓練すればアルコールに強くなる。」
「地域の飲み会で、まったく飲めないのにしきりにすすめられ、『医者にも止められている』と言っても『飲めば治る。訓練が足りない』と言われる」
「訓練」によってアルコールに対する耐性が上がり、酒量が増える人も中にはいます。 しかしながら、日本人の約1割と言われる「下戸」の人は、まったくアルコールを受けつけず、このタイプの人は、いくら「訓練」してもアルコールに強くなるということは絶対にありません。それどころか少量のアルコールでも命取りになります。
次に、日本人の3〜4割の人は、アルコールで悪酔いする体質です。顔が赤くなりながらも飲んでいるうちに、酒量が増えていく人もいますが、この体質の人はアルコールの害を受けやすく、肝臓病やがんになりやすい、というリスクをかかえています。「訓練」は体に害こそあれ良い点はありません。これらの2グループの人が「訓練」という名を借りた飲酒の強要に遭うことが多いようです。また、日本人の5〜6割を占める「飲んでも顔に出ず悪酔いしない体質の人」にとっても、「訓練」して耐性を上げ酒量を増やすような行為は、内臓疾患やアルコール依存症のリスクを高めるため、おすすめできることではありません。
つまり「訓練」はどんな人にとっても健康的な行為ではないのであって、「訓練」を他の人にすすめることはアルハラです。絶対に止めてください。


●「飲み会を盛り上げるため“イッキ”は必要。」
「イッキを強要するのはいけないけど、自分でやる分にはいいでしょう?」「他にどうやって盛り上げればいいの?」とは、大学生からよく聞く言葉。でもイッキ飲み・イッキ飲ませは命にかかわる危険な行為。どうして飲み会を盛り上げるために、自分やほかの人の命を危険にさらす必要があるでしょうか? 死者が出たら、責任を取れますか? まさか自分のまわりで死ぬ人なんて出ない、と思っている人たちの間で死亡事故は起きています。命が失われてからでは、遅いのです。イッキ以外の飲み会の盛り上げ方を、参加者みんなで考えてみてください!

イッキ飲み防止連絡協議会では、この分析結果について次のように考えます。


●「飲み会を盛り上げるため“イッキ”は必要。」と考えるのは10代から20代の男性に多いことが今回のアンケートでも分かった。まさにこの世代に意識改革を求めないかぎり、イッキ飲み・イッキ飲ませ、アルハラの深刻な被害はなくならないという意識を新たにした。まわりの大人も、もっと若い世代に注意を促していく必要がある。

●未成年者でも少しなら、と考えている人が、若年層ほど多い上に、年代が上がってもかなりいる。「ほんの少しなら」というのは、法律で禁じられている「未成年者飲酒」をなし崩しにするものだ。未成年者に飲ませてはならない、法律違反だ、という大人の毅然とした態度が必要だ。学校や家庭で早期からアルコール予防教育を行なう重要性を痛感し、大人が子どもたちをアルコールの害から守るために意識を改めることを強く望む。

●「訓練すればアルコールに強くなる。」は、裏を返せば飲めない人は努力が足りないということになり、体質や個人の自由(飲む・飲まないの選択)への理解を欠いた危険な考え方で、改めなければならない。

●今回の意識調査は、今後の活動計画において大いに参考になり、指針となった。
また、解析を担当した中部学院大学 人間福祉学部 健康福祉学科教授 田久浩志 氏は、次のようにコメントしています。


医療・福祉分野を志す学生に、統計学を教えており、学生には日頃から身近な問題で統計を取るよう勧めている。今回のイッキ飲み防止連絡協議会主催「あなたの隠れアルハラ度」アンケート調査の、「アルハラ防止」の主旨に共鳴し、学生にも考えてもらいたい問題として研究室での分析を申し出た。ゼミ生たちも自分にかかわる問題として大いに関心を持ち、積極的にデータ入力・分析作業に取り組んだ。私がある授業で行なったアンケート調査(大学1〜4年生男女617人対象)では、「『イッキ飲みをするような男性から飲み会に誘われても断わる』と女性が思っているとしたら、イッキ飲みはしない」と答えた男子学生は、197人のうち実に73%に達した。この結果は異性の目がイッキの抑止力になりうることを示唆した。「イッキ飲みは命にかかわる」といった正論にはなかなか聞く耳を持たないこの世代に、防止を呼びかけるのは、従来とはちがったアプローチが必要だと痛感している。

「飲み会を盛り上げるために“イッキ”は必要。」と考える10代20代男性が多いという結果が出ている。「飲ませるのはいけないが、自分でイッキするのは自由」という学生も多いと聞く。なぜ飲み会に命を賭ける必要があるのだろうか。イッキ飲みは体質に関わらず危険な飲み方であり、飲ませ方である。中でも飲めない体質の学生のイッキ飲みは自殺行為。私が学生たちから直接聞いただけでも、10人の飲めない体質の学生が自発的にイッキ飲みをしたという。まわりも止めるべきだ。命を落としてから後悔しても遅い。ひとりひとりがきちんとこの問題を考えてもらいたい。

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