Traffic Offenders Program (TOPs)
<交通違反者プログラム>
●対象:交通違反の初犯者全般。強制ではないが、裁判所が推奨するため受講率は高い。
●開催主体:コミュニティー・ベース。地域のNPOが寄付や協賛金で実施しており、行政が協力。(すべての地域に存在しているわけではない。無料がベースだが、参加費を徴収するところも)
Black TownのTOPs会長のDavid Bamford氏の話
●教育の内容:警察/救急/交通安全/車の維持管理/保険と法的システム/脊髄損傷の予防/アルコールとドラッグ(講師はアルコール・薬物依存の治療を専門にする心理士)。
2時間×8週間。7コマの講義+宿題(毎回、質問に沿ってレポートを書く)。最終日は、受講の結果、何を学んだかを書いて来なければならない。これが裁判で役に立つ。
●状況1:シドニー郊外(車で40分)のブラックタウンでは、1992年開始。警察・救急など行政の協力と地 域のクラブ(飲食・娯楽の場)の協賛、コーディネーターの頑張りにより、無料で提供し続けてきた。交通違反者全般を対象にしているが、受講者の半分以上が飲酒運転である。
●状況2:今では48の裁判所が効果を認め、裁判の初回に、「ぜひ受講しなさい。判決はその後にしましょう」と判事が勧めてくれる。強制ではないが、裁判では出席状況や宿題提出を確認のうえ、学んだ内容を質問するため、受講率は高くドロップアウトも少ない。92年の3月から07年の2月までに9920人が受講した。隣のクイーンズランド州からトラック運転手が受けに来たこともある。受講者は学んだことを家族に話す。知識が口コミで広がる効果もある。法廷で、「受講のチャンスをくれてありがとう」と言った人もいる。「すべてのドライバーが受けるべきだ」との感想もよく聞く。高校生が受講し、行動があまりにも変わったため、母親と教師が驚き、高校で出張講座をやってほしいと言われたことも。受講中に酒気を帯びてはならない決まり。ランダムで呼気検査器を吹かせることもある。英語が話せない海外からの移民や先住民もけっこういて、(英語のわかる)家族や友人を連れてくるから、会場は満員。1回の講座に160人程度が出席。
●効果:1999年にRTA(道路交通局)によって、交通違反の再犯率を25%下げたと評価されている。http://www.trafficoffenders.com.au/
市の交通安全担当官David Tynan氏の話:
●このプログラムは歴史があり内容も充実、若者向けの予防プログラムにも一部を活用している。「運転免許はとても大切。失わないようにしよう」というメッセージを伝えることが重要。TAFE(専門学校)の学生は、就職に免許が必要なため、教育の対象として効果が上がる。
●そのほかに効果が上がる対策は、警官がパブ・クラブ・バーを巡回すること。酩酊者に酒類を提供するのは法律違反。最近は喫煙も禁じられているので、依存症などヘビードリンカーを馴染み客とするような昔風のバーは成り立たなくなった。酔客がしつこく酒を要求すると、店は身を守るために警察に通報する。バーも軽く飲む、安全でおしゃれな場に変わりつつある。指名ドライバーやシャトルバスのサービスもある。
※NSW州では、一般への予防啓発にも力を入れている。
◆RTA(道路交通局)のサイト
http://www.rta.nsw.gov.au/roadsafety/advertisingcampaigns/drinkdriving_prevention.html
http://www.rta.nsw.gov.au/roadsafety/drinkdriving/index.html
↓脳をクローズアップしたテレビCMが見られる
http://www.rta.nsw.gov.au/roadsafety/downloads/tvc/brain_tvc_dl1.html
◆NSW州のアルコール総合政策について
http://www.alcoholinfo.nsw.gov.au/ |