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目次
 
鈴木 共子 さんの手記
飲酒・無免許・無車検の暴走車に一瞬にして奪われた息子の命

2000年4月9日。あの日から私は予想だにもしなかった人生を生きることになりました。
桜の花が最初の花びらを散らせる中、私の生きる希望であった一人息子、零(19才)と友人(19才)のふたりを、飲酒・無免許・無車検の暴走車が一瞬にして奪ってしまったのです。息子は飛ばされて19メートル下のコンクリートの土手にたたきつけられたのでした。息子が発したであろう悲鳴が今でも聞こえてきます。警察署内の粗末な霊安室で、息子の痛々しい、残酷な遺体を確認しなければならなかった母親の心情を想像してください。それは悪夢以外の何ものでもないのです。あの時私は不思議と涙が出ませんでした。神のせめてもの恩寵なのか、感覚、感情、思考という人間らしい心の動きをすべてマヒさせてしまったからでしょう。
その後葬儀を終え、私はかなり冷静に、そしてしっかり母親を演じ、泣きくずれることを自分に許しませんでした。けれど少しずつ少しずつ麻酔が覚めていくように、本来の感情をとり戻してきた私は、現在に至っているのですが、悲しみと憤りは深まるばかりです。
そして警察からの事故の詳しい情況、犯人のこと、処罰のことを聞いた時はショックでした。 何の落ち度もなく生命を奪われた息子たちに対する無念さはもちろんですが、犯人への処罰が業務上過失致死罪で最高でたったの5年と知った時は、身体が震えたものです。過去にもひき逃げし、無免許でつかまったこともある犯人なのに、そして今回も悪質な条件が揃っている殺人なのに、「業務上過失」だというのです。法律のことはよく解かりませんが、ふつうの感覚で考えても人の生命が軽んじられているとしか思えません。ちなみに窃盗罪は最高で10年だとか…。将来有望な若者の生命、いえ、私の最愛の我が子の生命は、たった5年の量刑でしかあがなえないのですか!納得出来ません。認められません。
このままでは、息子たちの死が「犬死に」のように思えてきます。息子たちは人生の何たるかも知らず逝ってしまったのです。やっとさなぎから脱皮して、蝶になって、その羽を広げて飛びたとうとしていた、まさにその時に…。私にたくさんの夢を語っていた息子が哀れでなりません。
無知な母親ですが、「おかしいことはおかしい」と息子たちのために声を上げていこうと決心しました。そして、理不尽な法律を改正出来たら、息子たちの死に意味を持たせられるのではと思い、また、生きていたら必ずや社会に貢献できる仕事をしたであろう彼らに代わって、彼らの「仕事」としてやってやろうと考えたのです。
今、私は支援グループの方々を始め、様々な方のサポートを受けながら「法改正」への第1足を、まったく手探り状態ですが踏み出しました。 時間があれば、息子の遺骨の前に座って語りかけている日々です。 「オレたちのためにやってよ、キョーコさん(息子は私のことをそう呼んでいました)、あんたならできるよ」という声が聞こえてきます。 息子のために、というその想いが、今の私を支えています。

鈴木 共子さんの詩 ニ編

今の時 戦火のさなかにあることを
知ってか知らずか
弛緩した笑みを浮かべて
生きている 人々は!


遠くにとどろく爆撃音
サイレンが鳴り響き
すぐそこまで敵は来て
狙い撃ちせんとする 人々を!

傍らの友が
銃弾に倒れてさえも
己の安全は
保証されてるかのごとく
一瞬感じた恐怖心は
すぐに日常の中に埋没する

何百人の、何千人の、何万人の
何億人の人々が
殺されたなら
「交通戦争」のただ中に
いることに気がついて

己のために
家族のために
友のために
そう、命を守るために
立ち上がるのだろうか 人々は!

 

地球より重たい
生命の重み?
でもこの国の法律は
生命は米粒ほどの
軽さなり

数字でなんか
表わせやしないのに
数字でしか
求めることの出来ない
このもどかしさ

誰れが生命の重みを
計ることが出来ようか

神とて難儀の技であり

ただただ我が子の
生命の重みをば
計ることが出来るのは
生命産み出したる
母、ひとり