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目次
 
<手記>免許取消をきっかけに断酒会に入会!
S・N
私が運転免許を取得したのは、今からおよそ40年前、高校を卒業して就職したときである。当時私の自宅は片田舎にあり、交通の便が悪くて、会社まで20キロの道のりを車で通勤していた。仕事は営業職で酒はつきものであり、20歳の頃から平然と飲酒運転で帰路につくようになったが、罪悪感もなく、それを咎め立てする者も当時はいなかった。

23歳で結婚し、息子と娘の二児に恵まれた。40歳で脱サラし、小さな会社を興した。必死で働いたおかげで、会社は順調に推移。一見穏やかな生活を送っているかに見えたが、その陰で飲酒問題は少しずつ進んでいたのだと思う。

52歳の時、ついに来るべきものが来た。それまでも何度となく飲酒検問に引っかかり、罰金を払ってすませていたのだが、通算4回の酒気帯び検挙と自損事故でついに点数オーバーとなり、免許取消となったのだ。人身事故を起こさなかったのは、今から思うと不幸中の幸いであった。しかし当時の私は、うわべだけの反省はしたが、事の重大さに気づくことなく、酒を飲みたい気持ちのほうがずっとまさっていた。

私の仕事の範囲は県内全域と時には県外での仕事も入るので、車は必需品である。しかたがないので、従業員が運転する車に乗っているうち、運転しなくていい気楽さから、自分はますます酒にのめり込んでいった。困り果てた女房が奔走してアルコール依存症の専門病院を探し出し、入院に至る。

治療中ボンヤリとした頭で考えた。「仕事をきちんとこなすには車の免許が必要、だが飲めば飲酒運転を繰り返すのは必至。ならば酒を断つ以外には方法はない」と。では「酒を断つ自信はあるか」と自分に問えば、全くその自信はない。そんなときに主治医から断酒会を紹介され、入会を決意した。入会の動機は誠に単純で、酒さえ断てばあの忌まわしい飲酒運転からも解放され、すべてが上手く回転するだろうとの思いからである。

断酒会入会後すぐに仕事に復帰、免許取得にも再チャレンジした。運転の技術は持っているとの自信から、県の交通センターで一発勝負を4回したがいずれも不合格。断酒仲間の一人が「一発勝負はだめ、自動車学校へ行け」と進言してくれた。素直にそれを守り、仕事と断酒会通いの足を取り戻した。

断酒3年と期間はまだ短いが、断酒会では、素晴らしい仲間たちが「人生の再構築」の過程をありありと見せてくれる。その中で私は、自分の問題は飲酒運転だけではなかったことに気づいた。飲酒によって、家庭にも仕事にも健康にも害がでていたのだ。止めても聞かずに酔って運転する私に対し、いつ事故を起こすかと、家族や従業員がずっと気を揉んでいたことも知らされた。

断酒会に入って本当に良かった。今の平穏な暮らしは、断酒会のおかげである。もう二度と酒は飲まない。
全日本断酒連盟 03−3863−1600