HOME
 
アルコール健康障害対策基本法
 
アルコール依存症
 
うつ・自殺とアルコール
 
薬物乱用
 
イッキ・アルハラ
 
飲酒運転
 
AC
 
妊娠とアルコール
 
予防プログラム
 
自分らしく生きるための道具箱
 
アスク・キッズ
 
アルコール・ルパンを追え!
 
ASKの本
 
目次
 
ASK飲酒運転対策特別委員会
 
2005年7月2日、第22回総会において、特定非営利活動法人アスク内に、飲酒運転対策特別委員会(委員長・山村陽一)を設置することが決まりました。
 
委員会からのアピール
ここ数年、飲酒運転に対する社会の認識は、大きく動きました。
遺族が始めた署名運動の成果で、2001年、刑法に「危険運転致死傷罪」が新設され、道路交通法も改正されて罰則が強化されました。こうした厳罰化は、「少しぐらい飲んで運転しても」という世間の見方を変え、飲酒運転の抑止につながっています。
しかしその一方で、検挙されても再犯を繰り返すという問題や、職業運転手の酒気帯び勤務、懲戒解雇とわかっているのに飲酒運転をする公務員らが後をたちません。
再犯防止には、処罰だけでなく教育と治療的介入が必要です。
職業運転手の場合には、不規則勤務による「寝酒」の習慣も背景にあり、生活全体を改善するプログラムが欠かせません。
さらに社会全体を見渡しても、「仕事に酒はつきもの」「酒の上でのことは大目に見る」「すすめられた酒を断わるのは無粋」といった飲酒風土がある限り、飲酒運転だけをなくそうとしても限界があるのです。「飲んで運転して帰らなくてもよい社会」を構築していくには新しいシステムの提案が必要と考えます。
当委員会は以上のような、一筋縄では解決できない課題に焦点をあて、海外諸国で効果をあげているしくみも参考にしつつ、日本の社会・企業・文化に合った対策を研究・提案・普及していくため組織されました。委員会は、事故遺族・弁護士・運輸関係者・ソーシャルワーカー・アルコール問題予防の専門家など、さまざまな立場の人で構成されています。
 
活動テーマ
2005年度より、次のようなテーマで当面の活動を展開していきます。
1)運輸会社向けの「予防教育プログラム」の開発・普及
2)「指名ドライバー」方式の推進
3)アメリカの「DUIプログラム」の調査と日本での実現性の検討
4)飲酒・ひき逃げをめぐる法整備の検討と推進
 
関係機関との連携
◎企業など
すでに運輸会社、損害保険運行管理者講習などの分野で連携がスタート。委員会による飲酒運転予防のプログラムが、専任の講師のもとで実施され効果をあげています(→職場ぐるみで飲酒運転防止に取り組んでいる方へ)。
◎飲食店など
運転して来店した客にアルコールを提供しないシステム作りは、飲酒運転防止対策のかなめのひとつ。アメリカ各地で広まっている「指名ドライバー」方式を日本に合うよう研究しつつ、チェーン店を手始めに連携を働きかけていきます。
◎司法など
飲酒運転で検挙された人の再犯がめずらしくありません。司法分野では、罰するだけでなく教育(必要であれば依存症などの治療導入)が欠かせないのです。委員会では、すでにアメリカで飲酒運転をした人のDUIプログラムの委託を受けている立場から、日本で定着しやすいシステムを考え、導入を働きかけていきます。
 
予防教育プログラム
アルコール問題についての実際的な知識に加え、飲酒にまつわる生活習慣の改善をうながすよう工夫した教育プログラムです。パワーポイントやワークシートを使った講義と、グループワークを組み合わせています。標準コースは、1回3時間×6回。
指名ドライバー
飲酒する場に行くときは送り役(運転者)を事前に決めるよう呼びかけ、当日は運転者を識別して酒類を提供しないようにする運動。アメリカではNPO・政府機関・大学・飲食店・プロスポーツ選手・アーティストなどが連携して推進しており、酒類メーカーや損保会社がスポンサーになっています。地域ぐるみで普及を図っている自治体もあります。
必要なのは事前のアピールと識別グッズのみ。バッジ、シール、名札、腕章・レイ・メダル・手にスタンプを押す、コースター、グラスベルトなどなんでもOK。運転者だけ名札の色を変え、「〜色の名札の人には酒をつがないで」とアナウンスするだけでもいいのです。アメリカの例を紹介すると――
・飲食店が、来店した客に運転者かどうかを尋ね、識別グッズをつける。グループでの来店には送り役である運転者に感謝を込めてソフトドリンクを1杯サービス。
・シカゴ・ホワイトソックスが「試合観戦は、指名ドライバー方式で」と呼びかけ。
・パーティの受付で、車で来た人の手に車マークのシールを貼る、など。
 日本でもこの運動を広めるため、ASKでは「指名ドライバー」に代わる名称と識別グッズのアイデアを募集しています。
DUIプログラム
日本以上の車社会であるアメリカでは、飲酒運転の再犯率の高さに早くから着目し、酒気帯び検挙者に対して裁判所がDUIプログラムの受講を命じる、踏み込んだ再発防止対策を講じています。DUI(=Driving Under Influence)とは、アルコールや薬物の影響下で運転すること。州によってまちまちですが、カリフォルニア州では初犯で30時間程度の教育プログラムが義務づけられていて、修了すると罰金の減免や免許停止期間の短縮など減刑措置があります。依存症が疑われるときは、治療機関に回されます。アメリカ厚生省の患者調査によると、アルコール依存症患者の40%が司法・DUIプログラムを経由しています。
飲酒・ひき逃げをめぐる法整備
「飲酒・ひき逃げ事犯」が2002年以降急増。その原因として考えられるのが、現行法における危険運転致死傷罪の最高刑(懲役20年)と、業務上過失致死傷罪の最高刑(懲役5年)の開きです。つまり、ひき逃げをして酔いをさまし、酒酔い運転の立証を免れれば、罪が大幅に軽くなるのです。こんな不備を放置していては、危険運転致死傷罪の持つ抑止力が大きく損なわれてしまうことになります。そこで、2005年8月、「飲酒・ひき逃げ事犯に厳罰を求める遺族・関係者全国連絡協議会」が署名運動を開始。ASKも協力しています。
損害保険分野での連携
日本損害保険協会の2005年11月発行の冊子「飲酒運転防止マニュアル」に、執筆協力をしています。損保協会が各地で開催している「飲酒運転防止対策シンポジウム」に協賛、基調講演を行なっています。
運行管理者講習
自動車事故対策センターの運行管理者用講習テキスト(2003年版)に、「一歩踏み込んだ飲酒運転防止対策」を執筆しました。
 
職場ぐるみで飲酒運転防止に取り組んでいる方へ
飲酒運転防止対策として、多くの運輸関係会社が「乗務時のアルコール検知」を行なっており、検知に引っかかる運転手の処遇に苦慮しています。1回目は始末書や誓約書と一定期間の乗務停止、2回目以降になると勧奨退職や懲戒解雇で対応という例もあるようです。
職業運転手には、交代制勤務の不規則な生活の中で睡眠を確保しようと「寝酒」をしているうちに量が増えてしまう人がいます。習慣飲酒は、生活習慣病や睡眠時呼吸障害、アルコール依存症の原因にもなります。でも、長年の習慣を一人で変えるのはむずかしいこと。
前日の酒が残ってアルコール検知に引っかかってしまった!
健診で肝機能障害(γGPT値が高いなど)が指摘された!
こういう機会を、生活習慣改善のチャンスととらえ、「予防教育プログラム」に誘導することを当委員会では提唱しています。
ASKの予防教育プログラム「セルフケア・スクール」は、アルコール問題についての実際的な知識に加え、飲酒にまつわる生活習慣の改善をうながすよう工夫されています。一定期間の参加と修了を義務づけることができれば、処罰だけで対応するより、予防効果はいっそう高まります。
社員の健康管理は、本人の利益であると同時に、企業にとっては「安全対策」であり、「危機管理」であり、「人材確保」にもつながります。現代社会において、健康管理に基づいた飲酒運転防止対策は、企業を守るためにきわめて重要な施策なのです。
ASKの事業部門から発展した(株)アスク・ヒューマン・ケアでは、専門のスタッフが、貴社のご要望に即したプログラムを作り、実施をお手伝いします。プライバシー保護に徹した第三者専門機関によるプログラム実施は、参加者に安心感を与えます。なおご希望があれば、企業内で継続的に実施するための人材養成も行ないます。お問い合わせはこちらへ。
アスク・ヒューマン・ケアのページでも、職場のメンタルヘルス対策の一環として企業向けの飲酒運転防止プログラムをご紹介していますので、ご覧ください。
 
 7つのチェックで職場の対策を点検!