| 教職員による飲酒運転 懲戒処分事例の分析 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
2008年10月 |
||||||||||||||||||||||||||||||||
| 1) | ||||||||||||||||||||||||||||||||
日本全国で、教職員による飲酒運転が後を絶たない。ASK飲酒運転対策特別委員会では、その原因を探り、対策の一助とするべく、事例の分析を試みた。情報ソースとして用いたのは、YahooとGoogleのニュースに掲載された飲酒運転懲戒処分事例のうち、教育委員会によるものである。2007年10月から2008年9月までの1年間に、74例あった。プロフィールを見てみると、男性が9割弱で、年齢は40代・50代が多く7割弱を占めている。処分としては、懲戒免職が7割と厳しい制裁を受けているのがわかる。校長・教頭といった管理職によるものも8例あり、すべて免職になっている。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||
| 2) | ||||||||||||||||||||||||||||||||
最も多いのは、アルコール依存症の疑いが極めて濃厚なケースで、23例と全体の3割強。依存症の疑いがあるケースを加えると、半数を超えている。免許取り消し処分を受けた飲酒運転違反の約4割が依存症の疑いという神奈川県警と久里浜アルコール症センターの調査とも合致する。なおここでは、飲酒行動の異常(車内での飲酒/朝酒・昼酒)、再犯、勤務中の酒臭、病気休暇・休業中などがあるケースを「依存症の疑いが極めて濃厚」に。以上には該当しなくても、日本酒換算5合以上の飲酒、または呼気濃度0.4mg/l以上を「依存症の疑い」と分類。詳細不明の記事もあり、もっと多い可能性もある。病気休暇・休職中も5例。ストレス障害やうつとアルコール依存症とは関連が深く、予防・早期発見の両面で教職員へのメンタルヘルス対策が急務である。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||
| 3) | ||||||||||||||||||||||||||||||||
次に目立つのは、飲んだ翌朝の二日酔い運転で、11例と15%を占める。また、短時間の仮眠や休憩をとったものも4例あった。背景に、飲みすぎとアルコールに関する知識不足があるのは明白で、アルコール依存症の予防という観点からも、教職員に対し、広くアルコール予防教育を実施する必要性を強調したい。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||
| 4) | ||||||||||||||||||||||||||||||||
「代行運転」の落とし穴も特記したい。まず、代行を使ったにもかかわらず飲酒運転に至った9例。「代行で帰宅し、翌朝二日酔い運転」「自宅近くで自分が運転」「途中の移動に代行を使っているのに、帰宅時は自分が運転」「代行を呼ぶため車を移動」といったものである。代行を使うつもりが結局使わなかったものも6例ある。酔いは脳のマヒ。理性・判断力が鈍る。酒席には車で行かないことの徹底のほか、代行を使うとしても飲みすぎないように注意したい。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||
| 5) | ||||||||||||||||||||||||||||||||
飲酒状況の記述がある66例のうち、学校関係者の会合・懇親会・打ち上げ・同僚との飲み会などが28例と4割を超える。主催者にさらなる配慮が求められる。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||
| 6) | ||||||||||||||||||||||||||||||||
「車内での飲酒」7例はアルコール依存症が大分進んだ状態と思われる。「自宅での飲酒」の15例中11例が「依存症の疑いが極めて濃厚」なケースだった。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||
| 7) | ||||||||||||||||||||||||||||||||
アルコールへの依存は、習慣飲酒・多量飲酒から本人が気づかないうちに進む。「教育による飲酒運転防止活動」を教育現場から始め、健康日本21の「節度ある適度な飲酒」を教職員自ら実行するとともに、地域に広げていただきたい。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||
<プロフィール>総数74
<事例の分析>
|